身元保証の事例その4

身元保証

事例その4 新潟市 H様ご夫婦 夫(94歳) 妻(86歳)

きっかけ:奥様から来社いただきご相談

当時の状況:

  • 夫婦二人暮らし。
  • 奥様はすい臓がんの経過観察中。
  • ご主人ヘルニアの手術歴があり、腰にボルトが18本入っている。腰痛の為あまり動けない。
  • 日頃は奥様がご主人の通院と買い物に行っている。
  • 子供はいるが疎遠。
  • ご主人とは仲が良くなく、よく怒鳴りあう。

当面は奥様が買い物やご主人の通院を行っていくとのことで、人サポート契約と緊急時のスポット対応でのスタートとなる。

月1回の安否確認を兼ねて訪問していたが、段々とご主人がベットの上で過ごすことが多くなってきた。奥様が車で事故を起こして免許の返納をして以来、タクシーを使って通院をしている。買い物は奥様がカートを押しながら歩いて行っているようだ。

契約頂いて5年ほどたったころ、安否確認で訪問した際、奥様の体調がすぐれない様子で、もう何日か後に通院の予約があるとのことでその場は帰ったのですが、気になり次の週初め朝イチで再び訪問したところ、奥様の顔が黄疸で黄色くなっており、すぐ病院にお連れしました。

しかし紹介状がないと診てもらえないとのことで、紹介状をもらいに行き受診したところ、すい臓がんが進行しており、ステージ4の状態になっているとのこと。年齢もあって手術は難しく、入院して様子をみることとなる。その後ご主人を奥様の病院へお連れし、担当医、奥様、ご主人と当社で、余命宣告とカンファレンスを行う。

奥様の入院に合わせ、自宅に一人でご主人がいることは難しいので、ご夫婦で入れるターミナルケアが可能な施設を探すこととなる。このままご自宅へ戻る可能性が低いことと、働いていた頃は一人親方での職人だったため年金が少なく、ご夫婦合わせて年間210万円、預貯金もあまり残っていなかったため、ご夫婦から了解の元、ご自宅の売却を進め、その資金を今後の施設の入所費用に充ることとする。

その間の必要な入院費用、入所費用等、一旦NPO絆にて立替し、施設への入所とご自宅からの引っ越しを行う。奥様は、今後の入院と抗がん剤治療を拒み、施設でご主人と一緒に過ごすことを選択する。その後、奥様は入退院を繰り返し、病院側よりターミナルケアの為の病院へ転院を勧められる。次の病院へ転院する。新しい病院へ転院した2週間後、奥様86歳でご逝去される。

その後ご主人はお一人で施設で過ごしていたが、転倒して入院する。高齢ということもあり、容態が急変し奥様と同じ病院で94歳老衰でご逝去される。

向うの世界では、今度は仲良くやって頂ているだろうか。合掌・・・