令和4年度東区地域福祉推進フォーラム
遺品整理の現場から考える地域の見守り
~ 新潟市からの依頼で作成した講演会資料をもとに作成したページです。 ~
ひと昔前までは「向こう三軒両隣」といった親しい近所づきあいがありました。
しかし最近では、地域のつながりの減少や家族関係が希薄な場合が増え、地域の支え合う力が低下しているのが現状です。
遺品整理の中には、部屋の状況、残っている物から、個々の住人の方は、生前はこんな状況だったのでは?と予測を立てることができます。
最悪一人でだれにも気づいてもらえず部屋に何日間もご遺体があるような状況は、故人様の尊厳も損なわれてしまいます。
孤独死という最悪の結果を招かないために、一人暮らしの方が孤立することなく、安心して生活するために、生前のできる限り早期に問題を発見し、迅速に必要な支援につなげることが重要だと考えます。
私が行った遺品整理の中でも、時間のたってしまった孤独死の現場も多くあります。
このようになってしまう前に、もっと早くきづけたのではないかと思う現場もあります。
注意が必要な人(家)の特徴
- 一人暮らしで近所付き合いがなく、外出しない
- 家を訪問しても、顔を見せてもらえない
- 町内会、老人会など地区の行事に参加しない
- 病気がちで床につくことが多い
- 福祉が必要と思われるが利用しない
- 新聞、郵便物、ゴミがたまっている
- 暗くなっても灯りがつかない家
- 夜になっても洗濯物が干したままの家
- 窓やカーテンが開閉された様子がない家
- 認知症、寝たきりなどの介護が必要な方がいる家
一番注意が必要なのは、一人暮らしの方。
40代からでも50代からでも年齢関係なく、お年寄りに限りません。
次に、地域や社会から孤立している方も要注意です。
認知症や何かしら障がいをお持ちの方。本人は自覚をしていなくても、家の周りや中を見ると、早めに回りが気づける事があるかもしれないという事。
孤独死になる人は、セルフネグレクトという、自己放任に陥る傾向も多く、ゴミ屋敷になっていたり、汚れた服を着替えなかったり、ちゃんと食事をとっていなかったり、医療や介護が必要なのに拒否したりなど、生活していくのに必要な生活意欲や生活能力がなくなって、自身の安全や健康が脅かされている状態の事をいいます。
孤独死を減らすため、周りが気付くことが重要
まず、周りの人が初めのうちに気づきやすいことは、「最近お会いしていないなぁ・・」、と家を訪ねてみること。
その時に家の外や中の様子をうかがって、ゴミがたまっていたり、おかしな収集癖があったりと気づける事。
そこから認知症やうつ病などのセルフネグレクトを疑い、支払いが滞っていないか、生活できているかなどの問題が見えてくるのではないかと、私は思います。
お見せできる範囲ぎりぎりの、遺品整理の事例をご紹介します。
※注意 ショッキングな画像を含んでいます。
令和4年度東区地域福祉推進フォーラムアンケート
- 開催日時
令和4年5月17日(火) 13:30~16:00 - 会場
東区プラザホール - 講演
「遺品整理の現場から考える地域の見守り」 一般社団法人アンド・アイ 廣川 隆一 - 事例発表
中野山小学校区コミュニティ協議会 会長 山田 善孝 氏
東区健康福祉課 主査 歌川 あい 氏
東明第一自治会 会長 木島 重夫 氏 - 意見交換
コーディネーター 新潟医療福祉大学 社会福祉学部社会福祉学科 教授 青木 茂 氏
参加人数 133名
アンケート回答者数 106名
新潟市東区社会福祉協議会様のご協力で、セミナーに参加いただいた方々からのアンケートをとりました。参加者のほとんどの方が、介護、福祉などに関わる方でした。